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2013年7月18日 (木曜日)

涼しやと草むらごとに立ちよれば暑さぞまさるとこなつの花(よみ人しらず)

 和漢朗詠集夏の部にある歌です。

涼しやと草むらごとに立ちよれば暑さぞまさるとこなつの花

(すずしやとくさむらごとにたちよればあつさぞまさるとこなつのはな)

(意訳)もしや涼しいのではないかと、草むらごとに立ち寄ってみたけれど、かえって暑さが増してしまった。とこなつの花が咲いていたから。

ーーーーー

 う~ん、なんだかよくわかりませんねぇ。そもそも「とこなつの花」って何でしょうか? 調べてみるとナデシコの古名でした。秋の七草のナデシコですが、実際は夏から秋にかけて花を咲かせ、いつも夏のように咲いていることから「常夏」の名前がついたのだそうです。一首を噛み砕いて、現代人にもわかりやすく解釈すれば、このようになります。

 『(暑い日に)草むらなら涼しい風でも来るかなと思って、あちこちの草むらを見つけては立ち寄ってみたけれど、どの草むらにもナデシコの花が咲いていて逆に暑くなってしまったよ。なぜって、ナデシコのことを古来よりトコナツと呼ぶのを知ってるかな? 常夏だもの、暑いハズだ

 要するに単なる言葉遊びで、どうってことない歌でした(苦笑) ちなみにこの歌、一応よみ人知らずですけど、注釈書によっては紀貫之の作とされています。正岡子規が「貫之は下手な歌よみにて…」と言ったのは、こういう歌のことでしょうね。

【691】

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