第26回 下鴨納涼古本まつり
お盆の季節恒例の下鴨神社糺の森「納涼古本まつり」が本日初日でした。さっそく行ってきました。
今年は日曜日からのスタート。好天に恵まれたこともあって、会場内は大賑わいです。電子書籍の時代になっても古本まつりには影響がないのか、今年は特に女性の姿が目立ちます。“古本漁り=おじさん”のイメージはすっかりなくなりました。紙の本にはデジタルでは味わえない魅力があるのでしょう。なんといっても、古書には先人の思いが詰まっています。
それにしても暑い! 団扇をゲット。本部前に山積みしてありました。毎年デザインが変わるのが楽しみで、集めている方も多いと聞きます。私もその一人。
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というわけで、本日購入の一冊目は荻原井泉水著『芭蕉読本』。荻原井泉水は自由律俳句の提唱者で、作者としてはイマイチ好みではありませんが、古人の句(特に芭蕉)の解釈では、独特の情熱を感じます。文章も読みやすい。昭和十三年八月発行とありました。指折り数えて“75年前かぁ”とつぶやきながらパラパラとめくってみたところ、それほど経年変化を感じさせない美本です。廉価だったこともあり、読むかどうかは別にして、とりあえず手元に置いておこうと購入。
続けて二冊目は加藤文太郎著『単独行』。加藤文太郎は大正から昭和の初めにかけて活躍した登山家です。書名のとおり、単独行で日本アルプスの山々を登攀した人物です。残念ながら、31歳の若さで槍ヶ岳北鎌尾根に遭難死しました。新田次郎の小説「孤高の人」でも知られています。私も十年ほど前に読んで感銘を受けました。『単独行』自体は青空文庫でも読めますが、平台でこの本を見つけて「孤高の人」を読んだときの感動を思い出し、こちらも手元に置いておきたくなって購入した次第。
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滞在時間4時間。この他にも4冊購入し、計6冊。ただし、ちょっと物足らないので、予定を調整してもう一度行ってみようと思います。このおじさん、なにしろ本好きなもので…(笑)
※今年の下鴨納涼古本祭りは16日まで開催とのこと。
【715】
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