« 水桶にうなづきあふや瓜茄子(蕪村) | トップページ | 木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり(よみ人知らず) »

2013年8月25日 (日曜日)

海ならずたたへる水の底までも清き心は月ぞてらさむ(菅原道真)

 8月25日、天神さんです。北野天満宮におまいりしました。

7291_2

 午前中京都市内に強い雨が降り、今回は午後からの参拝になりました。到着したのは午後2時過ぎ。すでに雨は上がっていましたが、人出は少なめでした。

7294

 まずは、楼門に掲げられていた菅公の歌を鑑賞します。

海ならずたたへる水の底までも清き心は月ぞてらさむ

(うみならずたたえるみずのそこまでもきよきこころはつきぞてらさむ)

意訳:海よりもさらに深く、底まで湛える(私の)清い心を、月は照らして明らかにしてくれるだろう。

 この歌は太宰府に左遷された菅原道真が、無実の罪であることをせめて月だけは明らかにしてくれるであろうと詠んだものです。大鏡(左大臣時平)に出ているとともに、新古今集雑歌下に「菅贈太政大臣」作として十二首採られているうちの一首として出ています。また、天皇に対する忠誠心を示す歌とも解釈できるので、戦時中は愛国百人一首にもとられています。現代人にはあまり知られていませんが、歴史的には有名な歌のようです。

ーーーーー

7293

 さて、いつもは長蛇となる本殿前の鈴振りの行列が今日は短めでした。左右に分散しての参拝を呼び掛ける看板がむなしく感じられたほどです。毎月25日の縁日に、それも日曜日というのに、こんなに人出が少ないのは珍しいです。こういう日におまいりできるのは、“ひとり当たりのご利益が増してラッキー” と喜ぶおじさんもいたとか(笑)

【729】

« 水桶にうなづきあふや瓜茄子(蕪村) | トップページ | 木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり(よみ人知らず) »

ご利益さん」カテゴリの記事

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 水桶にうなづきあふや瓜茄子(蕪村) | トップページ | 木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり(よみ人知らず) »