涼しさや都を竪に流れ川(蕪村)
蕪村の句です。
【涼しさや都を竪に流れ川】(すずしさやみやこをたつにながれがわ)
(意訳)暑い京の都にあって、南北に流れる鴨川は、何と涼しいことか。
※「竪」=「豎(ジュ、たて)」の俗字で、縦と同義。
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このところ天気はイマイチですが、蒸し暑い日々が続いています。こういうとき、京都の人が涼を求めて集まるのは、やはり鴨川です。
(四条大橋より)
夕暮れ近くになると、続々とカップルが集結してきます。堤防の遊歩道を歩いていると、夕涼みのハズがかえって暑くなることもしばしばです。決して佳句とは言えませんが、「竪」には『まっすぐ』の意味もあり、真夏の鴨川の風情をうまくとらえていると思います。
【705】
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