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2013年8月 4日 (日曜日)

横になれ他人はまぜぬうちは也(紹簾)

 江戸時代中期の俳人紹簾の句を鑑賞してみます。

横になれ他人はまぜぬうちは也】(よこになれたにんはまぜぬうちわなり)

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 小野紹簾(おのしょうれん、1676-1761)は、俳諧だけでなく茶道や香道にも親しみ、多くの門弟を持った宗匠ですが、日ごろ忙しいため家庭サービスができないのを悔やんでおりました。早い時間に来客の帰ったとある夏の夜、これ幸いと、女房の機嫌をとってやるべく声をかけます。

「今夜も暑いなぁ、そうだ、ちょっと横になってみろ」

「え? どないしたん?」

 けげんそうに寝ころぶ女房の横に座ると、宗匠おもむろに団扇を持って背中から扇ぎはじめました。

「いやぁ、涼しいわぁ。扇いでくれはんの? なんかええことでもあったんかいな。それともあまりに暑いさかい、頭が変にならはったんやろか?」

「何を言うか。今夜は弟子も帰ったし、たまにはお前と水入らずで過ごそと思ったのだ。うちうちだけでな」

「いやぁ、うれしい。こんなことしてくれはんのは久しぶりやねぇ」

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 というわけで、一句は「団扇」に「内輪」を掛けたところに眼目があります。なんだつまらない、と言うなかれ。おそらく作者自慢の作品です。ちなみに作者は江戸に生まれ、後に出家して大坂に移り住みました。女房が関西弁だったかどうか、さらに言えば妻帯していたのかどうかさえわかりません。勝手に鑑賞したまでです(笑)

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【708】

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