かんこどり可もなく不可もなく音哉(蕪村)
蕪村の句です。
【かんこどり可もなく不可もなく音哉】(かんこどりかもなくふかもなくねかな)
意訳:かんこどりが鳴いている…、う~ん、この鳴き声は“可も無く不可も無く”というところだな。
ある日蕪村は、ふと鳥の鳴き声に気がつきました。どうやらかんこどりが鳴いているようです。かんこどりとは「閑古鳥」、カッコウのことです。その鳴き声は、古来より寂しい心を象徴するものとされています。耳をすませてみます。「カッコー、カッコー」 間違いなくかんこどりです。芭蕉の句が浮かびました。【憂き我をさびしがらせよかんこどり】 超有名な句です。自らも俳人である限り、ここで一句詠みたいところです。さっそくいくつかの言葉をつなげてみましたがイマイチです。なかなかまとまりません。
『もうひとついいのができないな。どれも可も無く不可も無くというところか…うん? かんこどりは鳴く…私の句は、可も無く不可も無く……可も鳴く、不可も鳴く…鳴き声は音だし、音を“ね”と読ませて、ねかな。…これをまとめると…かんこどり可もなく不可もなく音哉。 うひょー、できたぁ』
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というわけで、この句が詠まれた背景を勝手に想像した次第(笑)
【724】
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