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2013年9月16日 (月曜日)

あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月(明恵上人)

 明恵上人の歌です。

あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月

(あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかやつき)

(意訳)明るいなあ、ほんとに明るいなあ、ほんとにほんとに明るいなあ…お月さま。

ーーーーー

 明恵上人といえば鎌倉時代の僧で、栂ノ尾の高山寺を開き、日本で最初にお茶を栽培された方です。名前は聞いたことがありましたが、歌人でもあったとは知りませんでした。

 それにしてもなんと素敵な歌でしょう。解説書によると、『求道の心を月にたとえた』、『煩悩が消え去って真理が照らし出されたことを暗示』 など、難しく解釈される向きもあるようですが、そこまで深く考えなくてもいいと思います。 むしろ作者は明るい明るいお月さまを見て、ただ喜んでいるだけです。自然な感動が、「あか(い)あか(い)」となって、口をついて出ただけです。

 そしてこの歌について思うのは、五七五七七のリズムです。初めから終わりまで「あかあか」 かと思えば、ちゃんと「や」で句切れをつけて三十一文字に整えてあります。伝芭蕉作の『松島やああ松島や松島や』と同じテクニックです。なんといっても最後の「月」が快いオチとなって、鑑賞する者の笑顔を誘います。きっと明恵上人は、子供のような澄んだ心+大人のユーモアという、ある意味相反した性格を持った人物だったのでしょうね。

 というわけで、まもなく仲秋の名月を迎えます。今宵は仲秋の名月から数えて、宵宵宵の月が明るく輝いておりました(笑)

7511

(勝手な鑑賞であることをお断りしておきます)

【751】

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勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

その昔、アメリカ人の家で見つけた日本文化の本に英語訳が出ていて、その時にサッと読んだだけで覚えてしまいました。オリジナルもその時に初めて知りました。オリジナルも英訳も、どちらも覚えやすくて、明るい月を見ると、両方、口にしてしまいます。

Oh bright bright, Oh bright bright bright, Oh bright bright, Bright Oh bright bright, Bright Oh bright moon

この英訳、検索しても表示されるサイトがありません。誰も知らないのでしょうか。訳者名は判らないのですが、名訳です。

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