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2013年9月29日 (日曜日)

夕されば萩女郎花なびかしてやさしの野辺の風のけしきや(源俊頼)

 平安時代後期の歌人、源俊頼の歌です。

夕されば萩女郎花なびかしてやさしの野辺の風のけしきや

(ゆうさればはぎおみなえしなびかしてやさしののべのかぜのけしきや)

(意訳)(秋の)夕方に萩や女郎花(おみなえし)をなびかせているのは、野辺吹く風のやさしい景色であることよ。

 源俊頼(みなもとのとしより、1055-1129)は、金葉集の選者として知られています。

 この歌、意味がとりやすいのではないでしょうか。「なびかして」&「やさし」に、近代短歌の雰囲気を感じます。特に「やさしの野辺」がいいですね。ほのぼのとした秋の風景です。ただ、「夕」「萩」「女郎花」、「野辺」「風」「景色」と名詞が連続していることで、作者の感動の所在(歌の主題)をわかりにくくしています。全体に俊頼の作品は、調べに優れています。用語も新鮮で、当時としては斬新な歌風だったでしょう。百人一首にも採られています。にもかかわらず、その名前がイマイチ知られていないのは、どうやら作品に感動が少ないためのようです。叙景歌なのか叙情歌なのか、いい歌なんだけど、どこか中途半端な印象です。

ーーーーー

7643(ミヤギノハギ)

7642(オミナエシ)

 ↑ というわけで、週末、府立植物園に行ったところ、萩と女郎花を見つけ、そのつながりでこの歌を取り上げた次第。

(勝手な鑑賞であることをお断りしておきます)

【764】

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