今宵こそ世にある人はゆかしけれいづこもかくや月を見るらん(赤染衛門)
昨夜は十五夜でした。後拾遺集264より赤染衛門の歌を鑑賞します。
【今宵こそ世にある人はゆかしけれいづこもかくや月を見るらん】
(こよいこそよにあるひとはゆかしけれいづこもかくやつきをみるらん)
(意訳)十五夜の今宵に限っては、世間の人々の様子が気になることです。どこでも私のように月を眺めているのでしょうか。
※今宵こそ=十五夜の今宵。
※世にある人=世間の人々。
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この歌、「いづこもかくや」がいいですね。
今宵は仲秋の名月。屋敷の縁側に出ている私を、お月さまは皓皓と照らしている。虫の音が時々聞こえるくらいで、あたりは静まりかえっている。ふと思う。「みんなこの月を愛でているのだろうか。とてもきれいだけど何か寂しいなぁ…」
「世にある人」は、普通『世間の人』と解釈されていますけど、実際は特定の恋人を思っているのかもしれません。なかなかいい抒情歌です。哀愁を感じます。

連日の好天続きで、夜は月ばかりながめています。いささか首が疲れてしまいました(笑)
【755】
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