述懐(頼山陽)
京都にも縁の深い江戸時代の文人、頼山陽(1781-1832)の漢詩です。
「述懐」(じゅつかい)
十有三春秋(じゅうゆうさんしゅんじゅう)
逝者已如水(ゆくものはすでにみずのごとし)
天地無始終(てんちしじゅうなく)
人生有生死(じんせいせいしあり)
安得類古人(いずくにかこじんにるいして)
千載列青史(せんざいせいしにれっするをえん)
意訳:自分が生まれてから、すでに十三回の春と秋を過ごしてきた。水の流れと同様、時の流れは元へは戻らない。天地には始めも終わりもないが、人間は生まれたら必ず死ぬ時が来る。なんとしてでも昔の偉人のように、千年後の歴史に名をつらねたいものだ。
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立志の詩として有名なこの作品、頼山陽が数え年十四歳で作ったものだそうです。詩としての出来栄えはともかく、言ってる内容に驚きます。タイトルの述懐とは「思いを述べる」の意ですが、はたして現代の十四歳にこの詩が理解できるでしょうか。「天地無始終、人生有生死」のフレーズなど、私にはどう考えても年配者、それも初老のおじさんの発想としか思えません。いくら頼山陽が不世出の人であるとはいっても、十四歳でこういう詩を詠める人物がたかが二百年前に存在したことに驚くばかりです。同じ日本人として誇りに思うというより、ある意味畏怖の念を覚えます。
(山紫水明処)
【783】
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