秋の日のずんずと暮て花芒(夏目成美)
小林一茶のパトロンでもあったという夏目成美の句です。
【秋の日のずんずと暮て花芒】(あきのひのずんずとくれてはなすすき)
(意訳)秋の日は“ずんずん”日が落ちていって、あっという間に暮れてしまう。そんな中、夕日に映える花薄がとってもきれいだった。
(府立植物園にて)
秋のこの季節、一日一日と日没が早くなります。夕日を浴びた薄をもっと長い間眺めていたかったけれど、すぐに日は落ちてしまった。「ずんず」はいわゆるオノマトペ(擬態語)で、ずんずんの意です。この句の場合、効果的に使われているのではないでしょうか。秋の夕暮れの物悲しい雰囲気を詠んでいながらも、「ずんず」とあることによって、ちょっとしたユーモアを醸し出しています。語呂もいいです。
と、ここで先日訪ねた仙台土産を思い出しました。NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で有名になった 「みやぎといえば…」 です。
写真は東北限定の「じゃがりこ」です。珍しいので買ってきました。枝豆をたたいてつぶしたあっさり塩味の…、あれ? そうか、ごめんなさい。「ずんず」ではなく、「ずんだ」でしたね(苦笑)
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このおじさん、先週末で放送が終わり、寂しがっている「あまちゃん」ファンの一人です。
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