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2013年10月23日 (水曜日)

ちぎりきなかたみに渋き柿二つ(大江丸)

 江戸時代の俳人、大伴大江丸の句を鑑賞します。

ちぎりきなかたみに渋き柿二つ】(ちぎりきなかたみにしぶきかきふたつ)

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 この句、小倉百人一首42番清原元輔の、

『ちぎりきなかたみに袖をしぼりつゝ末の松山浪こさじとは』

 をもじっったパロディなのはすぐにわかりますけど、さて、どういうふうに意訳すればいいものか悩んでしまいます。全体が意味のないダジャレの連続で、ホント、よくぞここまでうまくシャレたものだと感心します。

 「ちぎりきな」に、男女の契りと柿の千切り(手で切り離す)を掛け、「かたみ」に、片身(ひとりずつ)と(竹を編んだ細かいカゴ。かたみ)を掛け、「渋き柿二つ」に若い男女の関係を暗喩しています。もしや加賀千代女が結婚した際に詠んだといわれる、

『渋かろか知らねど柿の初ちぎり』

も念頭にあったかもしれません。とすれば「渋き」が意味深で、ちょっとアブナイ表現です。

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 大伴大江丸(1722-1805)は飛脚問屋の主人でした。いわば気楽な経営者。俳諧は余技だったそうです。それでも全国を行脚して各地の俳人と広く交際し、俳壇に重きをなしました。世に知られた作品は、ほぼ古歌のもじりです。大坂の出身で、現代のお笑いの総本山、吉本興業のような存在だったのかもしれません。

7881

 というわけで、この句に笑ったわが家では、柿を買ってきました。いまさら「契りきな」でもなく、「千切って」きたわけでもなく、「渋柿」でもないですけどね(笑)

【788】

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