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2013年10月 4日 (金曜日)

秋夕泛琵琶湖(梁田蛻巌)

 梁田蛻巌(やなだぜいがん)の漢詩、「秋夕泛琵琶湖(しゅうせきびわこにうかぶ)」を鑑賞します。

秋夕泛琵琶湖」(しゅうせき びわこにうかぶ)

湖北湖南暮色濃(こほくこなん ぼしょくこまやかに)

停篙回首問孤松(さおをとどめこうべをめぐらして こしょうをとう)

滄波両岸秋風起(そうははりょうがんに しゅうふうおこり)

吹送叡山雲裏鐘(ふきおくるえいざん うんりのかね)

※篙=さお、船を進めるための長い棒。

※孤松=近江八景のひとつ「唐崎の一つ松」

※雲裏=雲の中

(意訳)琵琶湖の湖北湖南ともに暮色が濃くなってきた。棹をとどめ、唐崎の松はどこだろうかとあたりを見回してみる。青波の寄せる岸辺には秋の風が吹いて、雲の中から叡山の鐘の音を吹き響かせている。

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 梁田蛻巌(1672-1757)は江戸時代中期の文化人で、知る人ぞ知る漢詩の大家です。自然と人間とのかかわりを詠んでいる作品に佳作が多いような気がします。

 この詩は秋の夕べ、琵琶湖に船を浮かべて遊んだときのものです。大きな風景を大きな心で包み込んでいて、なんともいえない余情があります。鑑賞する者に静かな感動を与えます。

7691(琵琶湖岸)

(勝手な鑑賞であることをお断りしておきます)

【769】

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