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2013年11月23日 (土曜日)

名にしおはば逢坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな(三条右大臣)

 後撰集にある三条右大臣(藤原定方873-932)の歌です。

「女につかはしける」

名にしおはば逢坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな

(なにしおわばおうさかやまのさねかづらひとにしられでくるよしもがな)

(意訳)「逢う」と「さ寝(共寝)」という名を持っている「逢坂山のさねかづら」を手“繰る”ように、人に知られることなく“来る”方法があればいいのになぁ。

※逢坂山→京都と大津の間にある山。男女が「逢う」という意味にかけた。

※さねかづら→つる草の一種。「さ寝(さぁ寝よう)」の意味にかけた。

※くる→手繰り寄せるの「繰る」と、恋人に逢いに「来る」をかけた。

ーーーーー

 百人一首に入っている有名な歌です。「女につかはしける」とあり、さねかづらの実物に添えて贈った歌と考えられます。ならば「来る」はおかしい、平安貴族は妻問い婚だったので「行く」ではないか? と、疑問が呈せられてきました。いや、この歌のように男から「来てほしい」と言われれば、女が男のもとへ来ることもあったのだ、と解釈に論争が起きています。

 私に言わせれば、歌の眼目が「来る」に「繰る」をかけたところにあるので、「行く」ではシャレにならなかっただけだと思います。主旨さえわかれば「来る」でも十分に理解できます。そこまで一言一句にこだわる必要もないと思います。そもそも、詩歌はあいまいなところにこそ味わいがあります。昨今の流行歌など、何を言ってるのかさっぱりわからないもののほうが多いです。

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 さて、府立植物園にサネカズラを見つけました。つるが巻きついています。

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 手繰り寄せると…

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 赤い実がなっていました。きれいな実ですね。

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