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2013年11月11日 (月曜日)

浅ましや熟柿をしゃぶる体たらく(一茶)

 一茶の句です。

浅ましや熟柿をしゃぶる体たらく】(あさましやじゅくしをしゃぶるていたらく)

 意訳するまでもないですね。「七番日記」の文化十三年閏八月の句で、一茶54歳の作品です。なんでも一茶は歯が悪かったそうで、晩年にはすべて抜けてしまいました。同じ月に『くやしくも熟柿仲間の坐につきぬ』の句もあります。

 村の寄りあいのおやつにでも柿が出たのでしょう。歯の丈夫な若い衆と、硬いものを食べられない老人衆とに分けられて、「あぁオレも年をとったものだ」と、悔しい思いをしている一茶の姿が目に浮かびます。

 とはいえ、熟した柿のほうが甘くなるものです。歯の無い口で、うまいうまいとむしゃぶりつくように食べる自分の姿に、情けないやらおいしいやら、「体たらく」と言いながらもほほえましい一句です。

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 わが家でも、いただきものの柿をしばらく置いたままにしていたら熟しきってしまいました。

8072

 口の周りを汚しながらポタポタと滴を落としている、浅ましくも体たらくのうちのお年寄り。これでも、歯はまだ大丈夫なんですけどねー(笑)

【807】

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