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2013年11月29日 (金曜日)

見る人もなくて散りぬる奥山のもみぢは夜の錦なりけり(紀貫之)

 古今集秋下より紀貫之の歌です。

「北山にもみぢ折らんとてまかれりける時によめる」

見る人もなくて散りぬる奥山のもみぢは夜の錦なりけり

(みるひともなくてちりぬるおくやまのもみじはよるのにしきなりけり)

意訳:(京都の北山に紅葉狩りに出かけていったときに詠んだ歌)見に来る人もいないまま散ってしまう奥山の紅葉は、(まるで)夜に錦の衣装を着ているようなもので、せっかくの美しさも甲斐のないことだなぁ。

 「錦」とは、さまざまな色の糸で織った絹織物のことです。明るい場所なればこそ色が映えますが、暗いところではせっかくの「錦」も意味がありません。なので、「夜の錦」といえば、意味がない、甲斐がない、ということになります。それを踏まえて…

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 先日、北野天満宮のもみじ苑に行きました。「紅葉見ごろ」とあります。

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 もみじ苑(御土居の紅葉)は紙屋川沿いに広がっています。今の紅葉狩りには『ライトアップ』があります。「夜の錦」でも十分に鑑賞に堪えます。というか、夜のほうがかえって幻想的な雰囲気を味わえます。写真には写っていませんが、実際は大勢の人でにぎわっていました。現代の「夜の錦」は「見る人あり」です。貫之の時代とは様変わりしたものです(笑)

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 とはいえ、時間の経過とともに「散りぬるもみぢ」になるのは平安時代も現代も同じです。苑内には落葉が降り積もっていました。今年の紅葉もそろそろ終わりかと思うと残念です。

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