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2013年11月15日 (金曜日)

秋風の吹上に立てる白菊は花かあらぬか浪の寄するか(菅原道真)

古今集272菅原道真の歌です。

「同じ御時せられける菊合に、州浜を作りて菊の花植ゑたりけるに加へたりける歌。吹上の浜の形に菊植ゑたりけるをよめる」

秋風の吹上に立てる白菊は花かあらぬか浪の寄するか

(あきかぜのふきあげにたてるしらぎくははなかあらぬかなみのよするか)

意訳:(同じ時に催された菊合に、州浜を作って菊の花を植えてあるのに付けた歌。吹上の浜の形に菊を植えてあるのを詠んだ歌)秋風が吹き上げる吹上の浜に立っている白菊は、花なのかそうでないのか、あるいは波が寄せているのか。

 秋風の「吹」と地名の「吹上」を掛けています。吹上の浜は歌枕で、今の和歌山市付近の海岸とされます。洲浜(すはま)とは海岸の景を箱庭にしたもので、人形を立てたりもしました。一首は、人工的に作られた州浜の菊を見立てて、「とても花には見えない、まるで波が寄せているようだ」というのですね。

 詞書によると、この歌は菊合に添えられた歌とのこと。菊合(きくあわせ)とは、左右にわかれての菊くらべで、菊の優劣を競うとともに歌を詠んで遊んだのだそうです。言ってみれば自分のチームの菊自慢、応援歌ですね。そう考えると、大げさに詠んでいるのも理解できます。

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 先日、府立植物園の「菊花展」を見てきました。

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 いわば、現代版「菊合」ですね。

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 菅公(菅原道真)なら「浪が寄せているようだ」と言うでしょうか(笑)

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 それにしても見事です。王朝時代の菊合もかくやあるらんと、ひととき堪能させていただきました。

【811】

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