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2013年11月 1日 (金曜日)

月夜歩禁垣外(柴野栗山)

 江戸時代の儒学者、柴野栗山(しばのりつざん)の漢詩を鑑賞します。柴野栗山(1736-1807)は寛政の三博士のひとりです。

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「月夜歩禁垣外」(げつや きんえんのそとにほす)

上苑西風送桂香(じょうえんのせいふう けいこうをおくり)

承明門外月如霜(じょうめいもんがい つきしものごとし)

何人今夜清涼殿(なんぴとか こんやせいりょうでん)

一曲霓裳奉御觴(いっきょくのげいしょう ぎょしょうをほうず)

(意訳)御所の庭園のあたりを散策すると、西風が木犀の香りを送ってくる。 承明門の外は月光が霜のように降り注いでいる。 音楽が聞こえる。今夜は清涼殿で何か行われているのだろうか? もしや霓裳羽衣の曲とともに帝に杯を奉じているのかもしれない。

※禁垣=御所の垣(塀)。

※桂香=桂花(木犀の中国名)の香り。

※承明門=御所の南側の門、建礼門の中。

※霓裳=霓裳羽衣(げいしょううい)の曲。長恨歌による玄宗皇帝・楊貴妃の物語。

※御觴=御杯(おんさかずき)

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 詩に詠まれている「禁垣外」を「」いてみたいがために、京都御所の一般公開に行きました。

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 平成25年「京都御所秋の一般公開」は10月31日~11月4日までとのこと。

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 作詩の現場「承明門」までやってきました。左が「承明門」、右が「建礼門」です。栗山詩とつながった気がして感動です!

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 栗山の詩を紹介した本には、たいてい「しょうめいもん」とあります。表示には「Jomeimon」と書いてありました。読み下し方は鑑賞する際の好みの問題ですが、初句『じょうえんのせいふう…』、二句『じょうめいもんがい…』と押韻した形となるので、私は「じょうめいもん」と読んだほうがいいと思います。

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 門の向こうに紫宸殿が見えます。清涼殿は左奥になります。承明門からちょっと遠いのが気になります。夜分とはいえ、音曲は果たしてここまで聞こえるのか、と。

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 栗山が門の外を通りかかったのは「月夜」でした。京都御所の一般公開は午前9時~午後3時30分(入門)までです。残念ながら、門外から月を望むのは不可能です。

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 仕方ないので「月如霜」のイメージで、月影ならぬ日影を撮ってみました。これでも感激の一枚です。

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 「清涼殿」にやってきました。「霓裳」羽衣の曲が聞こえるかと思いきや…、

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 大勢の人出でごったがえしていました(笑)

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 そもそもこの漢詩は、王朝に題材をとった作者の空想が大きく働いていると思います。まして二百年以上も前の作品です。現在の京都御所に名残を求めること自体、意味のないことなのかもしれません。でも、こういう鑑賞の仕方もありかな、と思います。なんといっても私のお気に入りの詩です。今回の京都御所見学には大満足でした。

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コメント

 昨年秋に京都御所を訪問した際に書いたものが、思いがけず参考になったようで驚いています。私自身、この詩を口ずさみながら承明門で写真を撮ったときのことがよみがえってきました(笑) …そうですか、剣舞ですか。ぜひとも大成功を収められますよう、願っております! 
 コメントをありがとうございましたm(_ _)m

こんにちは、初めまして。
今度、剣舞詩舞でこの曲を踊ります!
練習しているので、実際の建物が見られて感動です(〃'▽'〃)
とても参考になりました!
感情を込められる様に頑張ります。

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