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2013年12月13日 (金曜日)

答人(太上隠者)

 唐詩選より、太上隠者の五言絶句です。

「答人」(ひとにこたふ)

偶来松樹下(たまたましょうじゅのもとにきたり)

高枕石頭眠(まくらをたこうしてせきとうにねむる)

山中無暦日(さんちゅうれきじつなし)

寒尽不知年(かんつくれどもとしをしらず)

(意訳)たまたま松の木の下を通りかかり、石の上に枕を高くして眠った。山中のこととて暦などはなく、寒が尽きて新年を迎えても、今年が何年であるかを知らない。

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 太上隠者は特定の作者としては不明ですが、“隠者の中の隠者”という意味で、これ以上世の中から隔絶された人はいないということでしょうね。むしろ仙人に近い存在かもしれません。そんな太上隠者が俗人に、こんな山の中で何をしているのですか、と聞かれて答えます。

 『思うまま、気の向くままに歩いてきて、たまたまこの松の木のところで眠っていたのです』

 高枕は、枕を高くして眠ること。心おだやかに熟睡することです。俗語でいえば高いびきです。

 『山中での暮らしゆえ、暦もありません。寒さがやわらいで、年が改まったことはわかりますが、今年は何年なのかはわかりません』

 寒暖の違いに移り行く季節はわかるけれども、、暦がないので、どれだけ月日が過ぎたのかわからないのですね。

 「山中無暦日」は禅語としても知られています。悟りの境地ということでしょうか。暦=カレンダーです。私などはパソコン、スマホ、置時計、そして壁と、日に何度もカレンダーを確認します。カレンダーを見ているだけでも、ワクワクして楽しくなります。それを見られなくなる隠者には耐えられそうにありません。カレンダー好きに、隠者は無理です(笑)

【839】

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