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2013年12月 9日 (月曜日)

木枯らしの吹き行くうしろすがたかな(嵐雪)

 嵐雪の句(玄峰集冬之部)です。

「芭蕉翁回郷」

木枯らしの吹き行くうしろすがたかな】(こがらしのふきゆくうしろすがたかな)

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 前書きの「芭蕉翁回郷」というのは、笈の小文の旅に出る芭蕉を送る送別吟という意味です。木枯らしに吹かれる芭蕉の後ろ姿を、木枯らしを主体として詠んでいます。解釈としては

×旅に出る芭蕉の後ろ姿が木枯らしに吹かれている。

○木枯らしが芭蕉の後ろ姿を吹きすぎて行く。

 となります。「木枯らしに吹かれる後ろ姿かな」との違いを味わいなさいというのですね。そう言われてみると「吹かれる」は受け身、「吹き行く」には動的なイメージがあり、旅立つ芭蕉の前途を祝福する送別吟には「吹き行く」がふさわしいのかもしれません。ちょっとした言葉の違いが情景を左右するというのは、いかにも俳句らしいです。五七五の中に、嵐雪の思いが込められています。ちなみに芭蕉の留別吟は『旅人と我名よばれん初しぐれ』です。送る人と旅立つ人と。送別の場面のドラマを感じます。

【835】

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