« おめでたい話(ボールペン…2本目) | トップページ | 又ひとつ年はよるとも玉手箱あけてうれしき今朝の初春(元木網) »

2013年12月30日 (月曜日)

沫雪のほどろほどろに降り敷けば奈良の都し思ほゆるかも(大伴旅人)

8561

 この2~3日の寒波で、うっすらと雪が積もりました。万葉集1639、大伴旅人の歌です。

「太宰帥大伴卿の冬の日に雪を見て京を憶ふ歌一首」

沫雪のほどろほどろに降り敷けば奈良の都し思ほゆるかも

(意訳)淡雪がはらはらと(うっすらと・まだらに)降り積もると、奈良の都がしきりに思われることだなぁ。

※沫雪→すぐ消えてしまう泡のような雪。

※ほどろほどろに→雪の薄く積もった状態のこと。斑(はだれ=まだら)と同根の言葉? 「はらはら」降るという擬態語?

ーーーーー

 前書きによると、大伴旅人が太宰府に赴任していたときの歌です。 九州の太宰府は、奈良とは違って滅多に雪は降らなかったとみえ、珍しく降ったとき、「この雪、奈良の都が思い出されるなぁ」と感激して詠んだ歌です。「ほどろほどろ」は、「まだらまだら」あるいは「はらはら」という意味に解釈されています。旅人の歌には、このほかにも畳語(たたみかけるように繰り返す言葉)を使った作品があります。

我が盛りまたをちめやもほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ

→私の盛りの時期は、もう二度と戻って来ないのだろうなぁ。ほとんど、奈良の都を見ないままに終わってしまうのではないだろうか。

世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり

→この世が仮の世で空しいものとわかったとき、いよいよますます悲しくなってくる。

 いずれも、畳語が調べを整える点において効果的に使われています。記憶に残る歌に仕上がっています。

8562

【856】

« おめでたい話(ボールペン…2本目) | トップページ | 又ひとつ年はよるとも玉手箱あけてうれしき今朝の初春(元木網) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« おめでたい話(ボールペン…2本目) | トップページ | 又ひとつ年はよるとも玉手箱あけてうれしき今朝の初春(元木網) »