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2013年12月14日 (土曜日)

小鍋買て冬の夜を待つ数寄心(几董)

 几董の「井華集」より。

「冬を待つといふ題にて」

小鍋買て冬の夜を待つ数寄心】(こなべこうてふゆのよをまつすきごころ)

(意訳)寒い季節には鍋料理が一番。今のうちに小さな鍋を買っておくことにしよう。それが「数寄心」というものだ。冬の夜が待ち遠しい。

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 「数寄」は「好き」に通じます。本来は和歌連歌を好む者のことでしたが、桃山時代に茶道具集めに執心する人を指すようになり、そののちは芸事全般について言うようになりました。ここでは、単に「おしゃれ・風流」と考えていいと思います。

 前書きに「冬を待つといふ題にて」とあり、題詠であるからにはおそらく空想の産物です。買うて(こうて)来るのは小鍋ですから、一人用でしょう。独居の侘び住まいであっても風流は忘れない、そんな俳諧の心得を主張しているのかもしれません。

【840】

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