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2013年12月 1日 (日曜日)

京都東山(徳富蘇峰)

 徳富蘇峰の漢詩です。

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「京都東山」

三十六峯雲漠漠(さんじゅうろっぽうくもばくばく)

洛中洛外雨紛紛(らくちゅうらくがいあめふんぷん)

破簦短褐来揮涙(はとうたんかつきたってなみだをふるう)

秋冷殉難烈士墳(あきはひややかなりじゅんなんれっしのはか)

意訳:東山三十六峯は漠漠とした雲に覆われ、京都の街は洛中洛外ともに霧雨に煙っている。破れ笠に短い袴姿で東山(霊山)の墓所にやって来て涙を流すのは、秋冷ややかな維新の殉難烈士の墓だ。

※漠漠=霧や雲がはてしなく広がっているさま。

※紛紛=入り乱れて飛び散るさま。

※破簦=破れ笠。

※短褐=短い袴姿。

 この漢詩は、明治17年、作者22歳の作で、東山の霊山墓地に参った際に詠んだとされています。蘇峰は十代半ばに同志社英学校に在籍していたことがあり、京都の街には愛着があったのでしょう。幕末の志士をテーマにしながらも、なんとなく京都の街を懐かしんでいるふうにみえます。

 徳富蘇峰は明治・大正・昭和にわたる文化人です。これまで、敷居の高い印象がありました。今年度の大河ドラマ「八重の桜」の影響で、少し親しみやすくなった感じがします。で、先日古本まつりで見つけた著作の「吉田松陰(岩波文庫)」を読みはじめたものの、少し読んだところで中断しています。ただいま積読状態です。この詩といい文章といい、すばらしい作品なのはわかりますが、難解語が多くてなかなか手ごわいです。

8272(高瀬川沿いの、佐久間象山、大村益次郎遭難の碑)

8271(琵琶湖疏水と東山)

【827】

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