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2014年1月 1日 (水曜日)

元日や此心にて世に居たし(闌更)

 年が改まって2014年1月1日。闌更の句を鑑賞します。

元日や此心にて世に居たし】(がんじつやこのこころにてよにいたし)

(意訳)年が改まり、気分一新の元日。この新鮮な気持ちを持ち続けて、世渡りをしていきたいものだ。

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 高桑闌更(たかくわらんこう、1726-1798)は金沢生まれ。晩年には京都に住み、東山に「芭蕉堂」を営んだことで知られています。二夜庵・半化坊・芭蕉堂などと号しました。表題句は「半化坊発句集」にある句です。

 一句のポイントは「此心」です。闌更の言う「此心」とはどんな心なのでしょうか。 妥協を許さない堅固な心でしょうか? それとも、自我を主張しすぎない柔軟な心でしょうか? あるいは、その時々の自分に正直な心でしょうか? それは鑑賞する者によっていかようにも解釈できます。ただ、結句の「世に居たし」には、これまでの失敗を繰り返したくない気持ちが込められています。『今年こそ人との諍いを避けて上手に世渡りしていきたいものだ』など、これまでとは違う一年にしたいとの意志を感じます。

 昔も今も「元日」は特別な日です。人々は新年の平安と繁栄を求めて願をかけます。その思いを一年間大切にしようと誓います。「一年の計は元旦にあり」、「何事も始めが大事」ということわざもあり、なるほどこの句は平易で共感できるなぁ、と思ったら、同じ「半化坊発句集」に次の句を見つけました。

正月や三日過れば人古し】(しょうがつやみっかすぐればひとふるし)

(意訳)お正月も三日を過ぎれば、一新された気持ちを忘れて、元の古さに戻ってしまう。

 …なんのことはない、闌更さん、これでは「半化坊」ならぬ「三日坊(主)」です(笑)

【858】

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