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2014年1月29日 (水曜日)

蟹(藤井竹外)

 幕末の人、藤井竹外(ふじいちくがい、1807-1866)の漢詩です。

「蟹」

天然具八足(てんねんにはっそくをそなう)

戈甲宛軍装(かこうあたかもぐんそう)

本是無腸子(もとこれむちょうし)

横行也不妨(おうこうまたさまたげず)

(意訳)生まれながらに八本の足を備え、戈(ホコ)と甲(ヨロイ)をつけた姿は軍装のようだ。(カニは)もともと無腸子という名前だから、横に歩いても問題ないらしい。

 カニは異名を「無腸公子」といい、“腸(はらわた)が無い” 要するに、腹中に思うところがないから横歩きしても構わないと言うのです。カニが気楽に横歩きする姿を詠んだユニークな詩です。

 いささか疑問に感じたのは初句の「天然具八足」で、『あれ? カニの足は10本じゃなかったっけ?』 と調べてみたら、この詩では足が8本、ハサミ(手)が2本という解釈だそうです。「戈甲宛軍装」で、ハサミを戈(ホコ)にたとえているわけですね。納得です。

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 さて、わが家のある日の夕食。ちょっと贅沢してカニを買ってきました。

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 「おいしい! おいしい!」と言いながら、食べたのはいいのですが…

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 なんと! ハサミを含めた合計10本の手足のうち、8本までを食べられてしまいました。これはいったいどういうことなのでしょう! カニは「無腸子」で、腹に一物もないのかもしれないけど、2本しか食べていない私のお腹には、小さな“わだかまり”ができました(苦笑)

【886】

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