« オリジナルTシャツ当たる!(おめでたい話) | トップページ | 凩やひたとつまづくもどり馬(蕪村) »

2014年1月13日 (月曜日)

数の子は二親をいはふ年始哉(氏重)

 江戸時代初期の俳諧集「犬子集」より、氏重という人の句です。

数の子は二親をいはふ年始哉】(かずのこはにしんをいわうねんしかな)

意訳:お正月に大勢の子供が集まって、両親を祝っている。おせち料理のカズノコもニシン(鰊)を祝っている。「数の子」と「カズノコ」、「二親」と「ニシン」…、まさに年始にふさわしい風景だなぁ。

ーーーーー

 作者の氏重(しじゅう)は渡辺氏で京都の人。

 「数の子」と「カズノコ」、「二親」と「ニシン」の連想は見事です。「カズノコ」は「年始」のおせち料理につきものだし、大勢の子供が両親の元に集まってお祝いするのも「年始」にふさわしい光景です。さらに「ニシン」と「ネンシ」は語呂が似ていて、句のリズムをよくしています。五七五という制約の中、掛け言葉も、情景描写もピタリとはまっています。これはよくできた句ですね~。ハイレベルなダシャレは貞門俳諧の真骨頂ではないでしょうか。

8701

 感激したこのおじさん、思わず“カズノコパック”を買ってしまいました。作品を、登場する食材とともに味わうのも、詩歌鑑賞の醍醐味のひとつです(笑)

【870】

« オリジナルTシャツ当たる!(おめでたい話) | トップページ | 凩やひたとつまづくもどり馬(蕪村) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 数の子は二親をいはふ年始哉(氏重):

« オリジナルTシャツ当たる!(おめでたい話) | トップページ | 凩やひたとつまづくもどり馬(蕪村) »