« 数の子は二親をいはふ年始哉(氏重) | トップページ | 冬の夜や針失うて恐ろしき(梅室) »

2014年1月14日 (火曜日)

凩やひたとつまづくもどり馬(蕪村)

 蕪村の句です。

凩やひたとつまづくもどり馬】(こがらしやひたとつまづくもどりうま)

(意訳)木枯らしの中、荷物を運び終えて帰途につく馬が、ふと躓いた。ハッとして、周囲の人々に緊張が走る!

ーーーーー

 「木枯らし」がヒューッと吹いて顔をそむけた瞬間、引いている馬の足元がよろけました。何かに蹴躓いたのでしょうか。馬子に緊張が走ります。大柄な荷馬が、あわや倒れるのではないか! という決定的瞬間をとらえた写真のような句です。

 「ひたと(直と)」は、『突然』・『思いがけず』という意味で、ニュアンスとしては、「あー、びっくりしたー」という声を含んでいます。「もどり馬」も効果的で、馬の疲れと馬子の疲れが、木枯らしの寂寥感と相まって、緊張感のある句に仕立てています。言葉に無駄のない、蕪村ならではの表現力です。

【871】

« 数の子は二親をいはふ年始哉(氏重) | トップページ | 冬の夜や針失うて恐ろしき(梅室) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 凩やひたとつまづくもどり馬(蕪村):

« 数の子は二親をいはふ年始哉(氏重) | トップページ | 冬の夜や針失うて恐ろしき(梅室) »