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2014年2月

2014年2月28日 (金曜日)

春はただわが宿にのみ梅咲かばかれにし人も見にと来なまし(和泉式部)

 後拾遺集春上より、和泉式部の歌です。

春はただわが宿にのみ梅咲かばかれにし人も見にと来なまし

(はるはただわがやどにのみうめさかばかれにしひともみにときなまし)

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2014年2月27日 (木曜日)

いかでわれ無漏の国にも生まれ来で有為の苦または受けつくすらむ(兼好法師)

 徒然草の作者、兼好法師(吉田兼好)の歌です。

いかでわれ無漏の国にも生まれ来で有為の苦または受けつくすらむ

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2014年2月26日 (水曜日)

梅の花匂ひおこさぬかたもなし東風吹き渡る春の神垣(橘曙覧)

 北野天満宮にちなんだ橘曙覧の歌を鑑賞します。

「菅原神の九百五十年の御祭に、梅華盛といふ題をよみて奉りける」

梅の花匂ひおこさぬかたもなし東風吹き渡る春の神垣

(うめのはなにおいおこさぬかたもなしこちふきわたるはるのかみがき)

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2014年2月25日 (火曜日)

北野どの御すきものや梅の花(竹馬狂吟集より)

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 本日2月25日、北野天満宮におまいりしました。

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2014年2月24日 (月曜日)

比叡山に登るとき、弁当に「魚」を入れるのは禁物?

 図書館で見つけた「元禄世間咄風聞集」という本に、比叡山登山についての興味深い話を見つけました。簡単に意訳してみます。「元禄世間咄風聞集」は元禄七年~十六年の間の江戸の世間話、噂話を書きとめたもので、次の話は元禄十年(1697年)のものらしいです。

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2014年2月23日 (日曜日)

ことしもまた梅見て桜藤紅葉(西鶴)

 井原西鶴の句です。

ことしもまた梅見て桜藤紅葉】(ことしもまたうめみてさくらふじもみじ)

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2014年2月22日 (土曜日)

登科後解嘲(詹義)

 

 入学試験の合格発表の季節を迎えています。今回は、詹義(せんぎ)という人の「登科後解嘲」なる漢詩を鑑賞してみます。

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2014年2月21日 (金曜日)

かきくらしなほ古里の雪のうちに跡こそ見えね春は来にけり(宮内卿)

 新古今春歌上より宮内卿の歌です。

「五十首歌たてまつりし時」

4【かきくらしなほ古里の雪のうちに跡こそ見えね春は来にけり

(かきくらしなおふるさとのゆきのうちにあとこそみえねはるはきにけり)

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2014年2月20日 (木曜日)

見ぐるしき畳の焦や梅の影(几菫)

 蕪村の門人、几董の句です。

見ぐるしき畳の焦や梅の影】(みぐるしきたたみのこげやうめのかげ)

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2014年2月19日 (水曜日)

つれづれと眺めくらせば冬の日も春のいくかに異ならぬかな(和泉式部)

 平安時代の女流歌人、和泉式部の歌です。

つれづれと眺めくらせば冬の日も春のいくかに異ならぬかな

(つれづれとながめくらせばふゆのひもはるのいくかにことならぬかな)

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2014年2月18日 (火曜日)

来し道も見えず雪こそ降りにけれ今やとくると人は待つらん(慶尋法師)

 東日本では大雪が続いているとのこと。後拾遺集冬より慶尋法師の歌です。

来し道も見えず雪こそ降りにけれ今やとくると人は待つらん

(こしみちもみえずゆきこそふりにけれいまやとくるとひとはまつらん)

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2014年2月17日 (月曜日)

待春や氷にまじるちりあくた(智月)

 俳諧七部集「炭俵」より、焦門の女流俳人智月(ちげつ)の句です。

待春や氷にまじるちりあくた】 (まつはるやこおりにまじるちりあくた)

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2014年2月16日 (日曜日)

小便の数もつもるや夜の雪(貞室)

 江戸時代前期の俳人安原貞室の句です。

小便の数もつもるや夜の雪】(しょうべんのかずもつもるやよるのゆき)

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2014年2月15日 (土曜日)

寒くとも火になあたりそ雪仏(宗鑑)

 新撰犬筑波集より、山崎宗鑑の句です。

寒くとも火になあたりそ雪仏】(さむくともひになあたりそゆきぼとけ)

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2014年2月14日 (金曜日)

ころぶ人を笑うてころぶ雪見かな (千代女)

 加賀千代女の句と伝えられるものです。

ころぶ人を笑うてころぶ雪見かな】(ころぶひとをわろうてころぶゆきみかな)

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2014年2月13日 (木曜日)

とめこかし梅さかりなるわが宿を疎きも人はをりにこそよれ(西行)

 新古今集春歌上、西行の歌です。

「題しらず」

とめこかし梅さかりなるわが宿を疎きも人はをりにこそよれ

(とめこかしうめさかりなるわがやどをうときもひとはおりにこそよれ)

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2014年2月12日 (水曜日)

梅の花香ながらうつす筆もがな(紹巴)

 安土桃山時代の連歌師里村紹巴の句です。

梅の花香ながらうつす筆もがな】(うめのはなかながらうつすふでもがな)

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2014年2月11日 (火曜日)

くすり喰人にかたるな鹿ケ谷(蕪村)

 蕪村の句です。

くすり喰人にかたるな鹿ケ谷】(くすりぐいひとにかたるなししがたに)

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2014年2月10日 (月曜日)

なき名のみたかをの山と言ひたつる君はあたごの峰にやあるらむ(八条の大君)

 愛宕山を詠んだ歌。拾遺集巻九雑下より、八条の大君の歌です。

「高尾にまかりかよふ法師に名立ち侍けるを、少将滋幹が聞きつけて、まことかと言ひ遣はしたりければ」

なき名のみたかをの山と言ひたつる君はあたごの峰にやあるらむ

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2014年2月 9日 (日曜日)

笹の葉におく霜よりもひとり寝る我が衣手ぞさえまさりける(紀友則)

 古今集巻十二(恋歌二)より、紀友則の歌を鑑賞します。

笹の葉におく霜よりもひとり寝るわが衣手ぞさえまさりける

(ささのはにおくしもよりもひとりぬるわがころもでぞさえまさりける)

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2014年2月 8日 (土曜日)

世を捨てて身は無きものとおもへども雪の降る日は寒くこそあれ(西行)

 西行の歌と伝えられるものです。

世を捨てて身は無きものとおもへども雪の降る日は寒くこそあれ

(よをすててみはなきものとおもえどもゆきのふるひはさむくこそあれ)

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2014年2月 7日 (金曜日)

愛宕山しきみの原に雪つもり花つむ人のあとだにぞなき(曽禰好忠)

 京都を囲む山々が薄っすらと雪化粧しました。平安時代中期の歌人曽禰好忠の歌です。

愛宕山しきみの原に雪つもり花つむ人のあとだにぞなき

(あたごやましきみのはらにゆきつもりはなつむひとのあとだにぞなき)

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2014年2月 6日 (木曜日)

はるの寒さたとへば蕗の苦みかな(成美)

 夏目成美の句です。

はるの寒さたとへば蕗の苦みかな】(はるのさむさたとえばふきのにがみかな)

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2014年2月 5日 (水曜日)

冬の夜の雪と月とを見るほどに花のときさへ面影ぞ立つ(藤原俊成)

 立春を迎えたというのに、今冬一番の寒波の襲来です。今回は藤原俊成の私家集「長秋詠藻」より一首鑑賞します。

冬の夜の雪と月とを見るほどに花のときさへ面影ぞ立つ

(ふゆのよのゆきとつきとをみるほどにはなのときさえおもかげぞたつ)

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2014年2月 4日 (火曜日)

はだかにはまだ衣更着のあらし哉(芭蕉)

 「笈の小文」より芭蕉の句を勝手に鑑賞します。

はだかにはまだ衣更着のあらし哉】(はだかにはまだきさらぎのあらしかな)

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2014年2月 3日 (月曜日)

冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらむ(清原深養父)

 古今集巻六冬歌より、清原深養父の歌です。

「雪の降りけるをよみける」

330【冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらむ

(ふゆながらそらよりはなのちりくるはくものあなたははるにやあるらん)

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2014年2月 2日 (日曜日)

朽葉よりあらわす苔の緑哉(紹巴)

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 昨年の秋からコケに興味を持ち、小さな植木鉢に植え付けて育てています。肥料は要らない、水だけでいいというので、素人でも簡単に育つかなと思ったのですが、さにあらず。湿度や日光の加減がなかなか難しいです。植え付けてから約6カ月が過ぎ、全体に緑色になったものの、一進一退の成長具合です。

 というわけで安土桃山時代の連歌師紹巴の句です。

朽葉よりあらわす苔の緑哉】(くちばよりあらわすこけのみどりかな)

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2014年2月 1日 (土曜日)

年よればなほ物陰や冬ざしき(智月)

 蕉門の女流俳人、智月の句を勝手に鑑賞します。

年よればなほ物陰や冬ざしき】(としよればなおものかげやふゆざしき)

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