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2014年2月18日 (火曜日)

来し道も見えず雪こそ降りにけれ今やとくると人は待つらん(慶尋法師)

 東日本では大雪が続いているとのこと。後拾遺集冬より慶尋法師の歌です。

来し道も見えず雪こそ降りにけれ今やとくると人は待つらん

(こしみちもみえずゆきこそふりにけれいまやとくるとひとはまつらん)

(意訳)来た道も見えないほど、雪が降り積もっている。今に雪が解けるか、もう来てくれるかと人は待っているであろうな。

 降りしきる雪の中を作者は歩いています。足跡はかき消され、どこをどう歩いてきたのかさえわからない大雪の中を歩いています。「今やとくる」と誰かが待っているからです。

 「今やとくる」には、「今や、と来る」(今に来るであろう) と 「今や、解くる」(この雪も今に解けるであろう)を掛けています。 待っているのは、弟子か? 家族か? 法師ですから、まさか恋人ではないと思いますが、いずれにしても、大雪にもかかわらず気楽な掛け言葉に興じる呑気な法師もいたものです。

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 今回の大雪では救助物資を「今やと来る」と待っている人々がいたかと思えば、高級料亭で天ぷらを「今やと来る」と待っているエライ人のことがニュースになったりもしました。私には、このエライ人が呑気なのかどうかはわかりませんが、災害は繰り返されます。今年の寒さにはもううんざりです。早く暖かくなってくれることを望みます。

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勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

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