梅の花匂ひおこさぬかたもなし東風吹き渡る春の神垣(橘曙覧)
北野天満宮にちなんだ橘曙覧の歌を鑑賞します。
「菅原神の九百五十年の御祭に、梅華盛といふ題をよみて奉りける」
【梅の花匂ひおこさぬかたもなし東風吹き渡る春の神垣】
(うめのはなにおいおこさぬかたもなしこちふきわたるはるのかみがき)
意訳:(菅原道真公没後九百五十年の祭典に、梅花の盛りという題で奉納した歌)天満宮には、梅の花の香りが匂って来ない方角はない、菅公のお詠みになった「東風吹かば・・・」の歌のように、今年もまた境内には春風が吹き渡っている。
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橘曙覧(たちばなのあけみ、1812-1868)は福井の人。国学者で歌人です。菅公は二月二十五日にお亡くなりになったとされ、この歌の詠まれた菅公の九百五十年祭は嘉永5年(西暦1852年)のことでした。
(楼門の歌)
北野天満宮の楼門には、季節ごとに菅公の歌が掲げられています。この季節は拾遺集の「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」です。橘曙覧の歌の本歌ですね。
今年(2014年)は菅公没後千百十二年目です。橘曙覧が表題歌を詠んでから百六十二年目…、歴史を感じます。
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