« 偶作(菅原道真) | トップページ | ささやかば曇りもぞする春の月(成美) »

2014年3月18日 (火曜日)

二月十九日(菅原道真)

 昨日に続き、菅家後集より菅原道真の漢詩です。

「二月十九日」

郭西路北賈人声(かくのにしみちのきた うりびとのこえ)

無柳無花不聴鶯(やなぎもなくはなもなく うぐいすをもきかず)

自入春来五十日(はるにいりてよりこのかた ごじゅうにち)

未知一事動春情(いまだいちじのはるのこころをうごかすをしらず)

(意訳)街の西、路の北を見ても、行商人の声を聞くだけで、柳もなく、花もなく、鶯の声も聞こえない。元旦からかぞえて、今日で五十日目というのに、未だ、心を動かすような春めいたことは何一つない。

ーーーーー

 旧暦の「二月十九日」は今年(平成二十六年)の場合3月19日にあたります。ちょうど今頃の季節です。大宰府で詩歌を多く残した人物としては、時代が違いますが大伴旅人がいます。旅人の作品にも望郷の思いを述べたものが多くあります。太宰府といえば、やはり辺境との思いが強かったことでしょう。菅公の場合は左遷ですから、その心境は推して知るべしです。大宰府の街に興を感じない、あわれな菅公の姿が見えます。悲しい詩です。

【934】

« 偶作(菅原道真) | トップページ | ささやかば曇りもぞする春の月(成美) »

勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 二月十九日(菅原道真):

« 偶作(菅原道真) | トップページ | ささやかば曇りもぞする春の月(成美) »