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2014年3月24日 (月曜日)

たんぽぽのあへ物くてや舌つづみ(犬子集)

 先日、道端にタンポポの咲いているのをみつけました。一輪だけでしたが、いよいよ春が来たとの思いを持ちました。今回は、江戸時代初期の俳諧選集「犬子集」より、タンポポを詠んだ句をいくつか鑑賞してみます。

1、【たんぽぽのあへ物くてや舌つづみ】(たんぽぽのあえものくてやしたつづみ)

※くてや=食うてや。

(意訳)たんぽぽの和え物食べて舌鼓を打った。

 たんぽぽは別名を「鼓草(つづみぐさ)」とも呼びます。なぜかといえば、たんぽぽの茎に切れ目を入れて水に浸けると切り口がめくれあがって鼓の形になるからだそうです。鼓だけに音が出ます。「タン! ポポポポ…」 要するに「タンポポ」です(ホンマかいな?)

 また、たんぽぽは食用にもなります。この句のように、和え物にするとおいしいのかもしれません。あるいは、江戸時代にはポピュラーな食べ物だったのか? 一句の意は『鼓草を食べて舌鼓』というシャレですね。

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2、【たんぽぽやねもはるさめのふりつづみ】(たんぽぽやねもはるさめのふりつづみ)

※ふりつづみ(振鼓)=舞ながら使う鼓の意。

 意訳は省略します。この句も鼓草に掛けています。植物なので「根も張る」、鼓なので「音も張る」、そして「春」雨が「降り」、「振り」鼓。(笑) あるいは「値も張る」も掛けているのか? 当時はたんぽぽを売買していたのかもしれません。

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3、【たんぽぽにはやされて舞胡蝶哉

 上の二句がわかれば、この句はすぐ理解できます。意訳は省略します。鼓がお囃子になって蝶が舞っているだけのことですね。

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 そういえば現在放送中のNHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」に、コーヒーの代用食品で「タンポポコーヒー」なるものが出てきたのを思い出しました。ちなみにタンポポを「蒲公英」と書くのは、漢方の「蒲公英(ほこうえい)」という薬草からきているのだそうです。解熱や利尿などの作用があるのだとか。道端に咲くたんぽぽといえども、なかなか奥が深いです。

【940】

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