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2014年3月17日 (月曜日)

偶作(菅原道真)

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 菅家後集より菅原道真の漢詩です。

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「偶作」

病追衰老到(やまいはすいろうをおいていたる)

愁趁謫居来(うれいはたくきょをもとめてきたる)

此賊逃無処(このあだのがるるところなし)

観音念一廻(かんのんねんずることいっかい)

(意訳)「老」・「衰」を追いかけて「病」がやってきた。この流謫の住まいにまで「愁」がやってきた。「衰」「老」「病」の次に「死」がやってくるだろう。それから逃れることはできない。ただ助けたまえと、観音様を念ずるだけである。

 太宰府に流された菅公の死の数か月前、延喜二年十二月ころの作とされます。この詩は、菅公の怨念が人々を恐れさせるきっかけになった作品とも言われ、そのころから都では、池の水が真っ赤になったり、魚が何万匹と浮かび上がったと伝えられています。

 衰老病死については、仏典に「衰耗山」「老山」「病山」「死山」の「四山」というのがあり、それぞれ人を苦しめるのだそうです。この詩からは、死を目前にした菅公の苦悩が伝わってきます。なんといっても無実の罪というのが辛かったのでしょう。悲愴感にあふれています。

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【933】

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