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2014年3月21日 (金曜日)

ほのかなる黄鳥きゝつ羅生門(来山)

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 早春の肌寒い日、京都市内九条通の羅城門跡を通りかかりました。小西来山の句です。

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「動情」

ほのかなる黄鳥きゝつ羅生門】 (ほのかなるうぐいすききつらしょうもん)

(意訳)羅生門跡でウグイスの鳴き声をほのかに聞いた。往古の平安京がしのばれる。

※黄鳥=ウグイス。

9372_2 (羅城門跡)

 小西来山(1654-1716)はおおよそ三百年前の人です。早春の候、どういういきさつで羅生門を訪ねたのかはわかりませんが、そのころすでに門はなく、廃墟となっていたようです。と、来山はウグイスの鳴き声を聞きます。

「え? ウグイス? こんな廃墟にウグイスとは…」

 一句の眼目は「ほのかなる」にあります。古来より、羅生門には鬼が出るとの伝説があり、当時の羅生門は、まさに鬼の住処のような状態だったのでしょう。眼前の廃墟に聞こえるほのかなウグイスの鳴き声に、来山は意外性を感じました。「動情」との前書きが、その間の事情を物語っています。

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 現在の羅生門跡には石碑があるのみです。 跡地は児童公園になっています。廃墟でもなく、ウグイスの声が聞こえるハズもなく、ただ九条通を走る車の音だけが響いておりました。

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 ちなみに「羅生門(らしょうもん)」と「羅城門(らじょうもん)」ですが、現在は「羅城門」で統一されているとのこと。すぐ前のバス停は「羅城門」でした。

【937】

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