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2014年3月22日 (土曜日)

片腕にひるまぬ梅の老木かな(冨天)

 江戸時代中期の俳人、冨天という人の句です。

片腕にひるまぬ梅の老木かな】(かたうでにひるまぬうめのおいきかな)

(意訳)まるで枝を切られて鬼のような形をした梅が、それでもひるまずに花を咲かせている。

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  冨天は浦川氏。大阪の人で京都を中心に活躍した松木淡々の門下でした。明和4年(1767年)に67歳で亡くなったと伝えられます。

 この句は、一条戻橋あるいは羅生門で、鬼の片腕を切り落とした渡辺綱の伝説を踏まえています。眼目は「ひるまぬ」で、渡辺綱に片腕を切り落とされたにもかかわらず逃げていった鬼と、妙な形の枝でも多くの花をつけている梅の双方に掛っています。実際、梅は老木になると、ゴツゴツとした枝ぶりのものが多くなり、中には鬼の姿のようなものさえあります。俗人ウケしそうなダジャレですけど、なかなかよくひねられています。

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【938】

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