菜の花やぱっとあかるき町はづれ(子規)
正岡子規の句です。
【菜の花やぱっとあかるき町はづれ】(なのはなやぱっとあかるきまちはずれ)
ーーーーーーーーーー
明治24年作とのこと。「菜の花や」、「ぱっとあかるき」がいいですね。素朴な表現ながら、鑑賞する者を感動させる普遍的な心があります。「町はずれ」までやって来て、突然、眼前に広がる菜の花を見た作者の興奮が伝わってきます。俳句における季語の力、日本の原風景を見る思いです。それはたとえば、子規の句とは知らずに、遠足の小学生が詠んだものだとしても、同様の思いを抱くことでしょう。『このリズム。この言い回し。何も難しく考える必要はない。こういう句を詠めばいいのだ』と思わせる、実にいい句だと思います。
【974】
« ニフティ宝くじ5回目当選! | トップページ | 君ゆくや柳みどりに道長し(蕪村) »
「 勝手に鑑賞「古今の詩歌」」カテゴリの記事
- 夏風邪はなかなか老に重かりき(虚子)(2014.05.21)
- 後夜聞仏法僧鳥(空海)(2014.05.20)
- 夏といへばまづ心にやかけつはた(毛吹草)(2014.05.19)
- 絵師も此匂ひはいかでかきつばた(良徳)(2014.05.18)
- 神山やおほたの沢の杜若ふかきたのみは色にみゆらむ(藤原俊成)(2014.05.17)
コメント