清滝にて。
(清滝)
先日、久しぶりに清滝に行きました。
清滝は嵐山の奥、愛宕神社参詣(愛宕山登山)の出発点にある景勝地です。私の小・中学生の頃は飯盒炊爨でよく来たものです。平日のこの日は、親子連れが一組河原で遊んでいました。
(渡猿橋)
清滝のシンボル、渡猿橋(とえんきょう)をおりたところに芭蕉の句碑があるというので探してみたところ、
ありました。石の色がまだら模様になっていて判別しにくいですが、芭蕉の句に間違いないようです。
【清滝や波に散りこむ青松葉】(きよたきやなみにちりこむあおまつば)
とあります。この句、ほとんどの芭蕉本に紹介されているので解釈は省略します。もともと、『清滝や波に塵なき夏の月』だったのを、『大井川浪に塵なし夏の月』と改案し、さらに『清滝や波に散りこむ青松葉』の形に改められたと言われています。芭蕉の死の直前のことでした。
改案とはいえ、全く空想の句でもないでしょう。一度は芭蕉も清滝を訪れていると思います。
芭蕉が来た時もこんな渓流だったに違いないと、岩場に下りてしばし感慨にふけっていると、手をかけた大きな岩の苔の上に、長さ3~4センチの生き物が伸び縮みしながら動いているのを見つけました。
「うん? 尺取り虫か?」
次の瞬間、ヤマビルであることに気づきます。実際、ヤマビルを見るのは初めてでしたが、以前テレビで、最近増えていると言ってたのを思い出したのです。特徴ある形と動きで、すぐにそれとわかりました。
「ゲーッ! 気持ち悪イ~」
私、こういう生き物は全くダメなんです。虫唾が走ります。すぐに足元や首筋、かばんなどについていないかを確認して、一目散に退散です。
渡猿橋まで戻ってきてホッと一安心です。
あわてて逃げるとき、誤ってカメラのシャッターを押したようで、足元が写っています。あとから考えれば、そこまであわてることはなかったのです。せめてヤマビルの写真を1枚くらいは撮っておくべきでした。とはいえ、二度と河原に下りる気にはなれませんでした。残念ながらヤマビルの写真はありません。
(ついでに書いておくと、今回、この記事を書いて感動したのが、『はんごうすいさん』と『むしず』の漢字変換です。『飯盒炊爨』・『虫唾』って書くんですねぇ。初めて知ってビックリした次第です)
【987】
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