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2014年5月 7日 (水曜日)

大仏の柱くゞるや春の風(二柳)

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 奈良の東大寺大仏殿の柱の穴をくぐると、無病長寿の御利益があるといわれています。先日、訪ねてみました。

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 堂内に縦横30cmほどの穴のあいた柱が立っていました。このサイズは、ちょうど大仏さまの鼻の穴と同じ大きさとのことです。なんのために開いているのかというと、大仏殿の鬼門の方角にあたり、邪気を逃がしているのだそうです。 江戸時代中期の俳人二柳(じりゅう、1723~1803)という人の句があります。

大仏の柱くゞるや春の風】(だいぶつのはしらくぐるやはるのかぜ)

(意訳)われわれはやっとの思いでくぐり抜ける大仏の柱も、さわやかな春の風は難なく抜けていった。

 あるいは季語の「春の風」には邪気を払う意味が込められているのかもしれません。そこまで深読みしなくても、春らしい気持ちのいい句です。

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 ↑大人が抜けるのはちょっと厳しい柱も、小学生の孫には難なくくぐることができました。なぜか外国人観光客に人気らしく、私たちが行ったときも、ブロンドヘアーの若い男性が四苦八苦しておりました。苦労の末に通り抜けると、チャレンジ精神に感動したまわりの人から拍手がわき起こりました。ちょっとした国際親善でしたよ(笑)

【984】

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